ここのところの新県知事の観光PRやスピリチュアルという流行語が生まれたりで、宮崎県神社がその最たるところ(パワースポット)であるとのことで参拝がブームになりつつあるようだ。
その中でもここでご紹介するこの神社もそのひとつで授与所にはその手の観光紹介記事や「パワースポット紹介」的な本が掲げてあった。その事もあってか参拝日は平日にも拘らず私以外の参拝者も数組見られた。

さて「都萬神社」は「ツマジンジャ」と読みツマりは「妻」の意味である。御祭神は山の神様「大山祇大神(おおやまつみのおおかみ)の娘『木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)』なのです。では、どなたの妻かというと霧島神宮の御祭神である天孫「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」の御妃神であります。天から天降りたる高貴なる神の御子の御妃様となられたお方です。
お宮の別名は『妻萬宮』(さいまんぐう)とも言われます。

 木花開耶姫命は「富士山本宮浅間大社」をはじめとする全国の浅間神社の御祭神となっています。この御祭神は前出の山神「大山祇大神」の娘であるが水の神様として御祀りされています。これは、瓊瓊杵尊と「一夜の契り」にて御懐妊されそれを疑われた木花開耶姫命が本当の御子と証明する為に産室に火を放ちその証を立て見事に三皇子(火照命(海幸彦)・火蘭降命・彦火火出見尊(山幸彦)を出産したとの神話(日本書紀)に描かれて「火神」それがひいては山の噴火を鎮めるための御祭神的な性格ゆえでしょうか。この神社での御祭神の御神徳は他とは少々違い主に「縁結び」や「安産守護」「酒造の神」などの性格が強く参拝者も女性やカップルの参拝が多い。(以下項目参照)




古いですがすばらしい鳥居がこの神社の格式を象徴しているようです。

拝殿も立派でかつ厳かな感じがしました。

「酒造の神様」らしく、神殿横にはこも被りの樽が積まれています。


 珍しい狛犬だったので撮りました。左右ともお尻をいっぱいまで上げて威嚇しています。


摂社 「大山祇神社」

御祭神の御父神様です。
摂社 「霧島神社」

御祭神の御夫神様です。
摂社 「四所神社」
磐長姫神、豊受姫神
天児屋根命、太玉命
の四柱の神様








 この神社がパワースポットであると紹介される理由のひとつは社域内に数多くの「巨木」があるということではないでしょうか?下にも見られますが「樹齢1200年」の巨木を筆頭になにげなくそびえたつ森林が人々を癒してくれます。









神社内の奉納酒甕

冒頭でも言いましたが同じ御祭神でも、お祭りされる地域によって独特の信仰と御神徳があります。この神社の特異な御神徳である「酒造」についてです。
日本書紀によると天孫の御子を無事出産した「木花開耶姫命」はその
三皇子をお育てになるとき母乳だけでは足りずそれを補う為に西都原から湧き出でる水を利用して米を作りそれで甘酒を造ってお乳に変えたとされます。このことによって「安産」や「養育」など母性に関する御神徳があるとされました。
 近頃の焼酎ブームも手伝ってか、この神社に祈願参拝される酒造関係者も多いそうです。





 御鎮座地 宮崎県西都市は古代の宮崎、日向国の都のあったところとされています。
近くに「西都原古墳群」(さいとばるこふんぐん)もありいくつかの陵墓を見る事が出来ます。
かなり、歴史の古い町です。
今ではのどかな田園風景が連なる自然いっぱいです。

この神社の参拝時の印象は(ふるさとへ帰ってきたという)懐かしさを強く感じさらには「母懐」とでもいいますか、限りなく強い『母性』を感じるにいたりました。やはり御祭神のご性格からでしょうか?何回も参拝したい神社の1つです。







神社参拝記